ヒトイキル

ココロの声をそのままにつらつらと。

抑圧された記憶

人は誰でも抑圧された記憶を持っている。それによって何かしらの影響を受けながら生きている。

ケイティ・キャノンは言っている。

私たちの体は記憶を収録したテキストであり、したがって、思い出すというのは新しい体に生まれ変わるのに等しい。

潜在意識にあるものと体が持っている記憶にはズレがある。思考は都合のよろしくないものをなかったものにしてしまう技を兼ね備えているからだ。

悲しみや苦しみを一手に引き受け、長い間たったひとりで守ってくれていたわたしのイチブ。存在すら記憶から抹消していたイチブを連れて帰ってきた。深い悲しみとそんなイチブを直視した嫌悪感に身体の中を支配されそうになりながら、何代にも渡って続いてきた連鎖をここで断ち切る。もう終わりにしたい。

そこには絶望と希望が混在していて、半分死んでいるような感覚。誰に知ってもらいたい訳じゃない。慰められたい訳じゃない。

ただ在るのだ。共に生きる。